今回は少しネガティブな内容になりますが
自身の体験を通して学んだことも色々とありますので
誰かの役に立てればと思い、記事にします。
ご興味のある方はお付き合いくださいませ!
日本とは全く違うアメリカの新人看護師の就活市場。
ここではまず、アメリカにおける新卒or未経験看護師の就活について話したいと思います。
とはいえアメリカの看護学校/大学を卒業しているかどうかでも状況は違います。
日本で学校を卒業してからアメリカに来た場合をメインに書いていきますね!
Residency Programとは?

Residency Programとは、いわゆる新卒看護師を育てるプログラムのこと。
チャンスは年に3回で、春(2月頃)、夏(6~7月頃)、秋(10月頃)です。
期間は病院によりますが12〜15ヶ月ほどで、ほとんどの新卒がこのポジションから始めています。
しかし全ての病院がこのプログラムを開催するわけではなく、
応募先が限られるため、地域によっては非常に競争率が高いです。
近場の病院では内定がもらえず、毎日車で1時間かけて出勤する人もいれば
たくさん応募しても面接にすら辿り着けない人もたくさんいます。
アメリカで看護師経験が無い場合は
母国で5年10年と経験があったとしてもそれは新卒看護師と同じとみなされます。
Residency Programから入職すると、新人価格のお給料からスタートですが
非英語圏から来る人にとってはサポートが手厚い方が安心ですので
個人的にはとても良いプログラムだと思っています。
International RN達の就活。

非英語圏から来た人の就活は、当然ですが容易ではありません。
なにせライバルたちは英語を母国語として面接では巧みに自己アピールができます。
複雑なニュアンスも表現も思いのままです。
さらに筆者の住んでいるDallasエリアは近年移住者が増加傾向であるためか、看護師が飽和状態。
特に新卒看護師はネイティブですらポジションの争奪戦になります。
就活をしていた友人達は出身問わず50~100個ほど応募して面接を数箇所受けて採用されています。
近辺の病院では採用がなく1時間ほどかけて毎朝出勤したり
大量に応募しても全滅というパターンも珍しくありません。
アメリカでNCLEXを通って資格さえ取ってしまえばゴールのように感じますが
実はその時点では何も始まっていないことが就活を開始するとわかります。
日本だと看護師であれば就職先に困ることはほぼありませんでしたが
それはとてもありがたい環境だったのです。
Residency Programに参加するためには?
厳しい就活市場で就職先を見つけるために重要なことは
コネクションを作ることです。
間違い無いです。
いや、まあコネが無くても就職先が見つかることもありますが
あればあるに越したことはないです。本当に。
正直多少英語が下手でもコネさえあれば割といけます。
もちろんダメな時はダメですが。
筆者はたまたまご縁があり渡米1年後に病院のPCTとして働き始めました。
働き出してからわかったのですが
多くの看護学生がパートタイムでPCTとして働いているのです。
そして卒業後にそのままその病院に勤務しています。
うちの病棟ではプログラムの募集時期になるとマネージャーからスタッフに向けて
「次のプログラムの応募を開始するけど誰かこの時期に卒業する人
もしくは知り合いで誰かいる?いたら名前教えて〜履歴書よけておくから!」
というメールが回ってきます。
そこで自分が応募することを伝えたり知り合いを紹介することが出来ます。
募集もまず先に院内のCareer siteに掲載され、その後Plicub siteに掲載されます。
結果、一般で応募してきた人たちは限られた残った枠を争うことになります。
ちなみにResidency Programの応募倍率は数倍〜100倍などと言われます。
というわけで、
いずれアメリカで看護師としてResidency Programに参加したい人は
勇気を出して現地の大きめの病院でPCTやCNAとして働くことを強くお勧めします!
予定していたResidency Programに参加できなかった理由。
ではここからようやくなぜ筆者がResidency Programに参加できなかったかのお話をします。
NCLEXパス後、マネージャーに報告するととても喜んでくれ、
すぐにResidency Programについての打診がありました。
当然、すぐに参加の意向を伝えました。
しかし日本への一時帰国などを計画していた関係で
マネージャーが提案してくれた10月のプログラムではなく
そのさらに後の2月のプログラムに参加したい旨を伝えました。
当然マネージャーは了解して筆者のためにポジションをセーブしてくれると約束してくれました。
同僚の看護師もマネージャーも副マネージャー(?)も、
筆者が2月から参加することをみんなが喜んでくれました。
ちなみにRNの資格を取得すると多くの病院ではPCTとしての勤務は出来なくなります。
よってプログラムが始まるまではSecretaryという病棟受付(事務)の仕事やることになりました。
この時点で、もう就職先は決まった、下手な英語でも勇気を出して病院で働いて良かった!と思いました。
所詮は”口”約束であり内定ではなかった。

現在既に病院で働いているとはいえPCTとRNでは職種が違うため
PCTは退職→RNとして再雇用、というステップが必要になるとのことでした。
そのため募集が開始されると他の候補者と同様にApplicationをしなければなりません。
マネージャーいわく、
2月のプログラムの募集は11月頃に掲載されるとのことでした。
(↑これは他の病院と比較してとても遅い時期だったので何度も何度も確認しました。)
しかし言われた時期になっても、いっこうに応募が始まる気配がありません。
ついに11月も下旬。
もしかしてと思い、マネージャーにメールしたところ
「現在スタッフが足りているのでプログラムの募集は出さないことになった」
という非常にシンプルな返事が返って来ました。
通常多くのプログラムは9月に募集を開始するため
11月にもなれば既に面接も終わっている時期。
もうね、絶望ですよ、えぇ。
一体どうしたら良いの?次のプログラムは半年後ですが?
流石にマネージャーも申し訳ないと思ったようでその日の夕方に電話があり、
・全フロアのマネージャーに空きがないか連絡をして確認したが無かった
・次の7月のプログラムまで今のポジションを続けながら待っても良い
・他の病院に応募するなら、その際は最高のreferrenceを書いてあげる!
と言ってくれました。
とりあえずショックすぎて何も考えられなかったため
少し考える時間が欲しいと言って電話を切りました。
知らなかったResidency program募集の注意点について
ここでは筆者が知らなかったResidency Programの罠について説明します。
前述の通り、プログラムは毎回必ず全ての病棟で募集があるわけではありません。
その時点でその病棟に、New gradsに対してプログラムを開催できる枠があるかどうかです。
既にスタッフが十分いる場合は募集はありません。
筆者はそのことを知りませんでした。
日本と同じで毎回決められた人数の新卒が入職するものだと勝手に勘違いしていたのです。
プログラムに関するサイトを見ても全てのフロアがオープンですよ!と書いてありましたし
実際うちの病棟には毎回5〜6人の新人が定期的に入職していました。
そのため(自分はマネージャーと約束したから就職先は確保できた!)と思い込んで
他の病棟や病院に応募することはありませんでした。
むしろ約束しているのに他を受けてしまうなんて
まるで裏切りのように感じるため受けないと決めていました。
正直、マネージャーに対して色々言いたいことはありますが、ゴネても仕方がありません。
マネージャーからすれば病院のルールに従っただけですし
そもそも自分の人生なんだから自分で責任を持てというだけのことです。
Residency Programがどんなものか、わかっていたつもりでしたが十分ではなく、
さらに採用されるという安心感にふんぞり返っていた自分の怠慢が原因だったと反省しています。
*補足*
なぜ今回の2月のResidency Programに参加できないことが困るかというと
1年後にビザの更新のために日本へ数週間帰国が必要になるという重要な予定があるからです。
PTO(有給休暇)を消化できる時期など全てを細かく計算した上で
2月からの就業が必要と考えていたため全ての予定が狂ってしまいました。
次回の7月開始のプログラムに入ることが出来なければ
それはもうこの先1年間はResidency Programには参加できないことを意味します。
移民はなかなか厳しい!
これからどうするか?

マネージャーから連絡を受け取った後はショックだったのと
ちょうどコロナに感染してしまったこともあり
結局体調もなかなか戻らず1ヶ月ほど何もする気になりませんでした。
その後たくさんの人にアドバイスをもらって、考えた候補がこちら。
- 7月のResidency Programに参加する
- BSN取得のため大学へ行く
- LTAC*やNursing Homeなどへ就職する *日本の民間病院〜老健のような感じ
- 一般枠で大病院へ応募しまくる
これはオプションというよりもやることリストです。
どれかをやるわけではなく、複数組み合わせてやる感じです。
応募状況によってまた選択肢は変わっていくため
その都度自分で舵取りをして臨機応変に進めていく予定です。
ここで良いご報告ができるまでがんばります!!
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