アメリカで子宮筋腫を取った話。

子宮筋腫 アメリカ生活

こんにちは!すん看です。
先日、アメリカで子宮筋腫を取りました。小さな手術ではあるのですが、思っていたよりも術後しんどかったです。
海外において病院にかかることは、在外日本人にとって大きな不安要素の一つかと思います。なかなか日本人で経験している人がいなくて、誰かの役に立つかと思い手術の経過から支払額までまとめてみました!

子宮筋腫とは?

ほとんどの女性は知っているかと思いますが、一応子宮筋腫について少し触れておきます。

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、女性にとても多い病気です。小さいうちは症状が出ないことも多いですが、生理の量が多くなる、下腹部の張り、腰痛、貧血、不妊の原因になることもあります

日本では、婦人科での定期検診(年に1回程度の子宮頸がん検診や超音波検査)を受けることで、子宮筋腫などの異常を早期に見つけることができます。筆者は日本で定期検診に行っていた時は一度も指摘を受けたことはありませんでした。

日常生活に支障が出始める

Top view of menstrual cup, pads, and tampons on a pink background.

もともと2021年にアメリカに来るタイミングでピルの内服をやめ、それ以降経血が劇的に減りました。
ですが、2024年あたりから経血量が増え始めます。明らかな異常を感じたのはその年の秋以降です。
一日に何度も衣類を替える必要があり、トイレにも1時間おきにいかなければならない状況が出てきました。
アメリカで売っている生理用ナプキンが力不足なのかと思いましたが、日本製品に切り替えても全く力及ばず。体感的には、まるで排尿しているような感覚で出血していました。あの時は流石にまずいと思いましたね。

過去に大量下血した時は割と平気でいられたのですが、それでも今回は我ながら引くほど出血していました💧

婦人科検診で手術をすすめられる

もともと2023年に日本へ一時帰国した際に婦人科を受診しており、小さな子宮筋腫が複数あると指摘を受けていました。アメリカでは子宮筋腫の定期検診がないため、このように症状が出てから医師に報告することになります。
(筆者が知らないだけ?)

婦人科検診で医師に報告し、エコーで筋腫の大きさを確認。結果的に3センチ、2センチ、1センチの筋腫がありました。日常生活に影響が出ているということで手術をすすめられました。

以下が手術内容の提案です。

①内視鏡にて経膣で切除
②同じやり方で子宮内表面をアブレーション(焼灼)
③子宮全摘


②と③に関しては妊娠機能がなくなる代わりに筋腫の再発を防ぐことができるとのこと。

我が家は子供の予定はありませんが、なんとなく今ある機能を無くしてしまうことに抵抗がありました。迷うくらいならやらなくていいかと言うことで筋腫だけを取り除く①の選択肢を取ることにしました。ちなみに一番小さいものは筋膜層と言って中に埋もれた状態になっており今回は他の2つを取ります。

手術の流れ

手術に関しては、基本的にクリニックに常駐している手術コーディネーターの方が全て調整してくれます。

日本では医師と予定を決めていきますが、アメリカは本当に分業されています。

術前

A doctor consults with a pregnant patient discussing healthcare options in a medical facility.

日本では術前にレントゲンや呼吸器検査、採血など術前に行いますがそんなものはありません。

術前1週間前くらいに訪問して、同意書の記入と医師の手術代を支払うだけ。ちなみにこの時は$650程度支払いました。

手術当日

当日は手術開始30分前にチェックインと手術部屋代の支払い($2400)を済ますと、pre surgery roomみたいなところに連れていかれました。
尿検査をして手術着というか病衣に着替えます。
アメリカでは定番の、お尻丸見えのあれです🍑

ルート確保して、あとは呼ばれるのを待つだけ。
麻酔用のルートが手首に挿入されており
(なぜわざわざ手首に入れたんだろう…)
と思いました。日本だと絶対第一選択ではない場所ですよね(笑) 

結局、さらに1時間半くらい待ってようやく呼ばれましたが、待ち時間が長すぎて寝ていました。
呼び出しの際に麻酔科医がPre surgery roomに来てくれたのですが、どうやらすぐに薬剤が投入されたようで、なんとオペ室に入る前に寝ました!笑
Pre surgery roomから廊下に出たところで記憶が途切れています。
こんなことある?笑

術後

目を覚ますとPost surgery roomにいました。この時点では麻酔が効いていたこともあり疼痛はあまり感じず、むしろ何やら違和感があると思ったら、人生初のFoley catheter(バルン)が入っていました!
あまりに気持ち悪いのですぐに抜いてもらいましたが、残尿感があり結局すぐにトイレに案内してもらいました。

麻酔がまだ効いていることもあり、看護師は夫にトイレ内で付き添うように指示して出ていきました。夫は気まずそうにトイレに付き添ってくれましたが、トイレをしているところを夫に付き添ってもらうなんて、まだ30代なのになんという屈辱でしょう。笑
とはいえ頭もぼんやりしているのであまりよく理解していなかったのが救いです。

その後麻酔が切れてきたようで少しずつ痛みが出てきたのでイブプロフェンを内服。意識もはっきりしてきました。術後の注意点などを色々と聞いて、退院となります。

退院後

全身麻酔でも日帰り手術です。必ず帰りは誰かに運転して帰ってもらうことが必須。
退院時は痛みも自制内だったのですが車が出てすぐあたりから痛みが急激に悪化し、結果として車の中で悶え苦しむくらいの痛みになりました。時間帯は帰宅ラッシュ時と重なってしまい、わずか15分程度の距離がこんな辛いことはなかったです。
いま思うと点滴のせいで膀胱内に尿が溜まり、膨らんだ膀胱が子宮を圧迫していたことも原因だったような気がします。

途中から吐き気も出てきてしまい、家に着いた途端トイレにかけこみその後寝室のゴミ箱で嘔吐しました。

こんな抑えきれない嘔吐は人生で初めてのことでした。
術後の患者さんはたくさん見てきましたし、吐き気がある患者に何度も制吐剤を投与してきました。しかし初めて当事者になってみて、こんなに辛いものなのかと衝撃を受けました。。

追加でアセトアミノフェンを内服し、気絶するようにそのあとは寝てしまいました。2時間後に起きると、痛みはかなり良くなり吐き気も全く無くなっていました。
朝から何も食べていなかったため夕食はKrogerでSushiを買って食べるくらいまでは回復していました🍣

術後翌日以降の様子

High angle of crop anonymous ethnic female in panties with sanitary pad during period in bathroom

術後の注意点は以下です。

  • 出血量
  • 感染兆候
  • 疼痛

結果的に感染は起きませんでした。術後なので微熱っぽくはなりましたが感染というほどではなかったので様子見して、すぐに解熱しました。

術後の出血について

A sanitary pad adorned with red rose petals on a peach background, symbolizing menstruation and femininity.


結局帰宅してからは鮮血の出血は少量で、翌日から茶色っぽい出血が続きました。

ただ、少量でも結局2週間くらいダラダラと出血は続き、たまに鮮血も混じったりもしました。その辺は医療者だからなのか性格なのか、楽観視しており気になりませんでした。

術後の疼痛について

前述の通り、退院後に寝て起きたらかなり良くなっていました。ただ痛みはずっと継続していて、特にトイレを我慢したりガスが溜まったり、子宮が圧迫される時に痛みが強くなります。たまに猫がお腹の上に飛び乗ってくるのがめちゃくちゃ怖かったです。

地味な痛みは2週間ほどで消えていきました。気になる時は病院から処方してもらた痛み止め(イブプロフェン800mg)を飲んで調整していました。自宅にあった200mgは弱すぎて効果なしでした。

かかった医療費について

Close-up of pills and cash representing healthcare expenses and medication costs.

多くの人が気になるであろう医療費についてです。
ざっくりこんな感じ。

手術部屋代 $2300
婦人科医 $650
麻酔科医 $970(後日)
検体 $74(後日)
手術部屋代返金 -$1200
婦人科医返金 -$180

事前に払ったのは部屋代と婦人科医への手術代です。ちなみに手術を決める前に大まかな金額を教えてもらえます。
一旦こちらから$4000程支払っていますが、結局保険会社が多めにカバーしてくれたおかげで$1400程返金があったため実際支払ったのは合計で$2500程度でしょうか。保険カバー前の金額はわかりませんがまあ10倍以上はするでしょう。

最後に

A woman enjoying a serene sunset on Unawatuna Beach, Sri Lanka, depicting peace and freedom.

子宮筋腫の日帰り手術と聞いて、小さい手術だし平気と思っていましたが実際はなかなか大変でした。また、もっと高額になると思っていましたが$2500程度で済んで良かったです。
また術後のフォローアップアポイントメントの時に、筋腫は全部で7cm程度になったと聞きました。
この記事を書いているのが術後2ヶ月経ってからですが、まだ経血の量は大きく改善した感じがしないのでしばらく様子見したいと思います。
手術や検査のたびに不安(金銭的に)になるのでネットで色々検索するのですが、あまり情報が得られず困っていました。デリケートな話なのであまり友達にも聞けなくて。体験談として誰かの役に立てたら幸いです。

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